がん免疫統合医療「AIIM」
がん免疫統合医療 「AIIM」とは
「AIIM」とは、温熱療法・高濃度水素酸素ガス吸入療法・低用量抗がん剤・免疫チェックポイント阻害剤などを組み合わせ、がん患者さんの「がん免疫サイクル」の一連の流れが正しく機能する状態を様々な治療を組み合わせることで回復し、がんを封じ込めていく治療プログラムです。

AIIMは、以下のようなお悩みをお持ちの方に選ばれています。
●ステージ4の難治性がんで治療法が見つからない
●治療法がない、と診断された
●手術をしないがん治療を望んでいる
●抗がん剤の副作用が辛く、別の治療法を見つけたい
●抗がん剤以外の治療を検討している
●転移がん・末期がんの治療をあきらめたくない
●現在のがん治療に不安がある
●抗がん剤治療をしても症状が緩和されない
●がん治療のセカンドオピニオンを探している
●がん手術後の再発予防をしたい
●副作用が少ないがん治療を探している
「AIIM」を構成する治療
患者さんによって免疫やがんの状態は異なりますので、一人ひとりに合わせて治療法を適切に組み合わせて治療を行います。
免疫チェックポイント阻害薬
私たちの体は、細菌やウィルス、がん細胞などを攻撃して体を守る免疫システムを持っています。
免疫は、過剰に活動することで自分の細胞を攻撃することを防ぐためのブレーキ機能も備えています。
免疫チェックポイント機構は、その代表的なブレーキの一つです。
最近の研究から、がん細胞はこのブレーキ機能を利用して、免疫システムの攻撃から逃れることが明らかになっています。
これに対抗するために開発されたのが免疫チェックポイント阻害薬です。
この薬は、ブレーキ機能を解除し、免疫システムががん細胞を攻撃できるようにします。

化学療法(抗がん剤治療)
化学療法は、抗がん剤や化学物質を使ってがん細胞を攻撃し、増殖を抑制または破壊する治療方法です。
この治療は全身にわたってがん細胞を探し出し、破壊することが可能です。がん免疫統合医療「AIIM」は、抗がん剤を使用しますが、低用量であり、副作用が少ないのが特徴です。

水素ガス吸入療法
水素ガス吸入療法は、体内の酸化ストレスを軽減する方法です。私たちの体細胞の中にあるミトコンドリアは細胞活 動に必要なエネルギーを作り出す場ですが、その過程で活性酸素種(ROS)が発生します。これにはスーパーオキシドやヒドロキシラジカルなどが含まれ、細胞のタンパク質やDNAを酸化し細胞を壊してしまいます。特にヒドロキシラジカルは非常に反応性が高く、老化やがん、糖尿病など多くの疾患に関与しています。この治療では、水素(H2)ガスを吸引することでヒドロキシラジカルを除去し、がんの進行抑制や治療の副作用軽減を目指します。

「AIIM」の治療対象となるがん種
当院は、ほぼ全てのがん種(固形がん)に対応しております。
ステージⅠ~Ⅳ、再発がん、転移がん、がん予防についても治療のご提案をいたします。
※血液がんには対応しておりません。
●脳腫瘍
●頭頸部がん
●唾液腺がん
●甲状腺がん
●肺がん
●小細胞肺がん
●乳がん
●中皮腫
●膵臓がん
●肝臓がん
●胆道がん
●食道がん
●胃がん
●GIST
●小腸がん
●大腸がん
●腎臓がん
●腎盂・尿管がん
●膀胱がん
●前立腺がん
●子宮頸がん
●卵巣がん
●子宮肉腫
●皮膚がん
●メラノーマ
●肉腫
●原発不明がん
がん免疫サイクルとは
免疫ががん細胞を倒せるようキラーT細胞を誘導する仕組みを「がん免疫サイクル」と呼びます。
免疫で最も重要なのは、元気なキラーT細胞を誘導することであり、がん免疫サイクルはその7つの道程を示したものです。
この「がん免疫サイクル」が正しく機能することにより、私たちの身体は、毎日5,000個発生すると言われるがん細胞 を攻撃し排除することで、自らの身体を守っています。
がん患者様の多くは、この「がん免疫サイクル」が正しく機能していないことが原因でがんの亢進を許しており、「がん免疫サイクル」を活性化し正しく機能するようにすることで、がん細胞の成長を制御し抑制することができるようになります。

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がん抗原の放出

がん細胞が様々な要因で破壊されると、免疫細胞ががん細胞を見つけるための目印となる「がん抗原」が放出されます。
3
キラーT細胞の教育・活性化

がんにしか発現していない目印 を見つけられるよう樹状細胞がキラーT細胞を教育して活性化する。
5
がん細胞への浸潤

キラーT細胞ががん組織に浸潤(しみ込み広がること)する。
7
キラーT細胞の攻撃・排除

キラーT細胞ががん細胞を攻撃する。
2
がん細胞の提示

免疫細胞の1つの「樹状細胞」が1で破壊されたがん細胞をとり込み、「これががんだよ!」とその目印をキラー T 細胞に提示します。
4
キラーT細胞の血管内遊走

活性化したキラーT細胞は、血管内を流れながらがん組織を探してパトロールする。
6
がん細胞の認識

がん細胞であることをキラーT細胞が認識する。
「AIIM」の仕組み
がん免疫統合医療「AIIM」は、「がん免疫サイクル」の一連の流れに沿って必要な治療をオーダーメイドで施し、免疫の本来の力でがん細胞を封じ込めていきます。
がん免疫統合医療とは、
1)低用量抗がん剤療法
2)温熱治療
3)水素ガス吸入療法
4)免疫チェックポイント阻害薬
の4つの治療を組み合わせて、「がん免疫サイクル」を正しく機能させることでがんを治療していく治療法です。
STEP1
がん細胞を破壊し、抗原を提示する
低用量抗がん剤療法
がん免疫サイクル
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まずがん細胞を少量の抗がん剤で意図的に攻撃することで、「キラーT細胞*」が後ほど攻撃する際の目印となるがんの抗原を明示させます。抗がん剤は標準量の3分の1から4分の1しか使用しないため、副作用はほとんど見られません。免疫のダメージも抑えられ、逆に低用量ならば免疫が活性化されるという抗がん剤についての論文も発表されています。
*キラーT細胞:体内の異常な細胞や感染細胞を特定し攻撃する役割を担う細胞
STEP2
樹状細胞によるがん抗原の提示とキラーT細胞の活性化
低用量ヤーボイ療法
がん免疫サイクル
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樹状細胞とは、上述のキラーT細胞にがんを攻撃する指示を出す、免疫の司令塔の役割を果たす細胞です。
STEP1でがんに発現した目印(=がんの抗原)を見つけられるように、この樹状細胞がキラーT細胞を教育して活性化していく過程 で、「CTLA-4」という免疫抑制分子の働きを抑えるためにヤーボイを必要に応じて使用します。ヤーボイは、キラーT細胞のCTLA-4と結合することで、免疫抑制のブレーキを外してくれます。
STEP3
キラーT細胞のがん細胞への浸潤
温熱療法
がん免疫サイクル
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活性化したキラーT細胞は、血管内を流れながらがん組織を探してパトロールしていきます。がん細胞を見つけるとその組織に浸潤(浸透)していきます。このステップで重要になるのが血流です。血流がよければ、スムーズに免疫細胞が運ばれていきます。
ここで、活性化したキラーT細胞をスムーズにがん組織まで運ぶため、温熱療法を施し血流をあげます。38〜40度は免疫が最も活性化する温度であり、がん組織周辺免疫のはたらきを活性化します。また、がん細胞は熱に弱い性質を持っており、がん組織の温度を42〜43度に上げることで、がん細胞が特異的に死んでいきます。さらには、抗がん剤の効果を増幅してくれるという効果もわかっています。
STEP4
がん細胞の認識と攻撃
水素ガス吸入療法 + 低用量オプジーボ療法
がん免疫サイクル
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キラーT細胞ががん組織を認識してこれを攻撃しようとする際に重要になるポイントがあります。キラーT細胞のPD-1(=キラーT細胞の機能を抑制するシグナルを発する免疫チェックポイント分子)による免疫抑制(ブレーキ)を外して、キラーT細胞の攻撃力を発揮できる状態にすることです。
⽔素を吸⼊することで、悪⽟活性酸素によるミトコンドリア DNA の障害を防ぎ機能不全に陥ったミトコンドリア の働きを活性化したり、エネルギー産⽣を⾼めたりします。ミトコンドリアが活性化し再び機能を取り戻したキラー T 細胞は、PD-1 の調節機能を取り戻し再びがんと闘える体制を整えます。
そして活性化したキラーT 細胞ががん組織に集まった状態で、オプシーボを投与すると、通常2〜3割位しか効果が表れなかったオプシーボが⾮常に優れた効果を発揮します。私どもは、⽔素吸⼊とオプシーボの併⽤療法を「⽔素ガス免疫療法」と名付け、この臨床での成果をイギリスの医学誌「Oncology Letters」に発表しています。
「AIIM」の副作用について
がん免疫統合医療「AIIM」で起こりうる可能性のある副作用として、下記の症状がありますがいずれも軽度です。AIIMでは、抗がん剤やオプジーボ、ヤーボイなどの医薬品を使用しますが、いずれも低用量であり、副作用が少ないのが特徴です。
可能性のある副作用
●抗がん剤・免疫チェックポイント阻害剤の副作用
消化器症状(吐き気・嘔吐・下痢・便秘・食欲低下)、のどの違和感、かゆみを伴う湿疹、甲状腺、副腎機能障害、発熱、倦怠感 、口内炎、骨髄抑制(白血球減少・血小板減少・貧血)等
●温熱療法の副作用
まれに低温熱傷
未承認医薬品等を用いた自由診療について
●未承認医薬品等であることの明示
[点滴治療]
・オプジーボ点滴静注
・ヤーボイ点滴静注
・抗がん剤点滴静注
・キイトルーダ点滴静注
上記の医薬品については、承認されている医薬品ですが低用量で使用するため保険の適応外になります。
[水素ガス吸入療法]
水素ガス吸入療法は「心停止後症候群(院外心停止患者に対する水素ガス吸入療法)」において2016年に厚生労働省が認める「先進医療」となりましたが、本治療は承認医療機器の承認目的外使用となります。
[温熱療法]
ハイパーサーミア(一部、適用外になります)
●入手経路等
国内販売代理店経由で入手しております。
●国内の承認医薬品等の有無
本治療に使用可能な同一の性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
●諸外国における安全性等に係る情報
諸外国における安全性等に係る情報は現在ありません。
●未承認医薬品等を使用する自由診療であるため、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となります

