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ハイパーサーミア

ハイパーサーミアとは

ハイパーサーミアは、熱を利用して

がん細胞を死滅させるがん治療です。

ハイパーサーミアは、がん細胞が熱に弱いという特性を利用して、高周波などの電磁波で患部を加温し、がん細胞を死滅または増殖を抑制する治療法です。正常組織にダメージを与えることなくがんの病巣のある領域を治療することができますので、理想的な治療として注目されています。

イミュナスクリニック日本橋
加温による免疫力アップ

ハイパーサーミアによる体温の上昇によってリンパ球が活性化し、NK細胞、細胞障害性T細胞、樹状細胞などが増殖し、がん細胞への攻撃性が強まると考えられています。

QOL(生活の質)向上が見込める

がん性疼痛の緩和、食欲の増進、体力の回復、発汗による爽快感、気分がよくなるなど、生活の質が向上します。

がん組織への薬剤の取り込みを促進

薬剤治療と高周波ハイパーサーミアを併用すると、がん組織への薬剤の取込み量が数倍に上昇することから、薬剤の効果を一段と高めます。

放射線治療の効果を増感させる

放射線の増感効果が得られるので、線量を抑えてがんを制御することが可能です。また放射線が効きにくい癌種に対しても温熱を併用することによって奏功するということが実証されています。

副作用がほとんどない

治療に用いる高周波エネルギーの加温作用は一過性で蓄積するような弊害はありません。

従来のがん治療のような副作用がほとんどないので、何度でも治療を受けることができます。

治療対象となるがん種

ハイパーサーミアは、ほぼ全てのがん種(固形がん)に対応しております。

ステージⅠ~Ⅳ、再発がん、転移がん、がん予防についても治療のご提案をいたします。

※脳、眼球、血液がんには対応しておりません。

深在性悪性腫瘍

食道がん

胃がん

結腸がん

直腸がん

膵臓がん

胆管がん
肝臓がん
腎臓がん
前立腺がん
膀胱がん

肺がん

子宮がん

卵巣がん など

深在性悪性腫瘍

頭頚部がん

乳がん

悪性黒色腫

肛門管がん
骨転移
軟部肉腫 など

ハイパーサーミアのしくみ

正常組織にダメージを与えることなく、がん組織を死滅させる

がん組織は正常組織に比べ、熱に弱いとされています。がん組織は41.5℃~44℃程度の温度で死滅します。
高周波をがん組織と正常組織に同時に加えても正常組織は血管が拡張して血流が増え、放熱しやすいが、がん組織はほとんど血管の拡張が無く、血流が少ないため、蓄熱しやすく、正常組織に比べ高い温度が保てます。その結果、周囲の正常細胞は損傷がなく、がん細胞は高温に耐え切れずがん組織の縮小効果が期待されます。

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正常な組織に加温した場合

正常な組織は、血流の増加によって熱を逃がすので、温度が情報しにくい。

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がん組織に加温した場合

がん組織は血流が増えないため、熱を逃がすことができず、その結果、血流が減少して温度が上昇し、栄養が行き渡らず死滅に向かう。

加温後の細胞の生存率

熱を加えると、がん組織の血管はいびつで血流が乏しいため、酸素の供給が得られにくく酸素不足になると乳酸が溜まりpHが酸性に傾くため熱に弱くなります。

このようにして腫瘍内に熱がこもり42℃前後になると、どんどんがん細胞が死滅していきます。

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正常組織(皮膚・筋肉)とがん組織の血流の変化

温度が上昇すると皮膚や筋肉の血流は急激に増加しますが、腫瘍内(赤斜線)の血流はほとんど増加しません。
このため熱を加えられても熱を逃がすことができずに高温になります。

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加温原理

患部を中心に一対の電極盤で身体をはさみ、その電極間に高周波を流すことによってジュール熱が発生し患部の温度を上昇させる仕組みになっています。

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ハイパーサーミアと併用療法

がん治療には外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法などがありますが、ハイパーサーミア療法はこれらの療法と併用することによって、それぞれの効果を増強することが可能です。

手術との併用

手術前にがんを小さくするために、化学療法・放射線治療を行うことがありますが、ハイパーサーミアを併用することでより高い効果が期待できます。

また、術後の再発防止効果も期待できます。

化学療法(抗がん剤)との併用

ハイパーサーミアによる加温で、抗がん剤が細胞に取り込まれやすくなることが期待されます。また、副作用を減らすために抗がん剤を減量して治療する場合に、ハイパーサーミアを併用することで本来と同等の効果を得ることも可能です。

放射線治療との併用

放射線治療で傷ついたがん細胞の修復を、ハイパーサーミアによる加温で阻害することが可能です。特に、42℃以上でその阻害が顕著になります。また、放射線が作用しにくい環境(低酸素・低pH)に存在するがん細胞は、熱への抵抗性が低く、加温により治療効果を補うことが可能です。

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免疫療法との併用

ハイパーサーミアは「がん細胞を弱らせる」+「免疫系を活性化する」働きがあり、免疫療法の効果を高める可能性が高いと考えられています。

ハイパーサーミア治療の流れ

1.カウンセリング予約

お電話にてご相談ください。

2.カウンセリング

患者様の病態、症状などを確認いたします。
必要な検査を行い、適応を評価いたします。治療方針やハイパーサーミアについてご説明し、治療スケジュール、料金をご案内いたします。

3.ハイパーサーミア

1コースの回数は体調や病態に応じて医師と相談となります。

標準的には、1週間に1度〜3週間に1度の頻度で合計8回、1回約40分間の加温治療を行います。

1クール終了後、効果を判断しながら、進めさせていただきます。

ハイパーサーミアのよくある質問

Q 治療は1回だけですか?

症状にもよりますが、複数回治療します。

Q 治療時間はどれくらいですか?

治療準備も含めて約45分~60分です。

Q 初めてハイパーサーミアを受けるには?

まず外来で初診受付をしていただき、適応について検討していただきます。

他の医療機関で治療を受けている方は紹介状を持参してください。

Q 健康保険適用ですか?

各種健康保険適応可能です。

8回目以降治療を続ける場合は、保険適用外(自費)対応可能です。

Q 副作用やからだへの影響はありますか?

ハイパーサーミアは、個人差がありますがほとんど副作用が無い安全な治療法です。

まれに、患部の熱傷や皮下脂肪のしこり(脂肪硬結)、脱水などが起こることがあります。

これらの副作用を起こさないためにも、加温中にピリピリしたり熱感があったら技師や看護師にお申し出ください。脂肪硬結は、1~2週間ほどで自然に消失して痛みも徐々に治まります。脱水を防ぐために、治療前にあらかじめ水分補給をしっかりと行うようにしましょう。

Q 転移がんや再発がんにも有効ですか?

転移がんや再発がんについても、ハイパーサーミアによる効果が認められています。

Q ハイパーサーミアを毎日受けることはできませんか?

体が温められると、熱ショック蛋白が産生されます。この熱ショック蛋白が産生されると熱に対して効きが悪くなるため(熱耐性)、もう一度加温してもなかなか癌細胞は死滅しません。熱ショック蛋白は加温後72時間以内で消失しますので、一般的には週に1回もしくは2回のペースでハイパーサーミア治療を行なうのが一般的です。具体的には、体調や病態に応じて医師とご相談ください。

Q ハイパーサーミアを受けられない場合もありますか?

以下のいずれかに当てはまる方は受けていただくことができません。

  • 適応外の病気(脳や眼球と血液のがん)の方

  • 心臓ペースメーカー、埋込型除細動器、人工内耳を使用されている方

  • 加温範囲にステントなどの金属を留置している方

  • 加温範囲に金属粉を使った刺青、タトゥーをしている方

  • 加温範囲に豊胸材(シリコン)を埋め込んでいる方

  • 全身状態の悪い方

  • 栄養状態が著しく悪い方

  • 妊娠中、出産直後の方

  • 乳幼児

  • 意志疎通の困難などによって治療に危険を伴う方

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